骨祖しょう症対策

糖尿病患者さんはさまざまな理由により骨折しやすいと言われています。
どうしてでしょうか?治療は?予防法は?どうすればいいのでしょうか?
少しお話ししましょう。

骨祖しょう症はどんな病気?

骨祖しょう症とは、骨の強度が低下しているために重い物を持ち上げたり、転んだりするというわずかな力で骨折が起こります。
2005年の患者数は男性が約300万人、女性が約980万人と推計され、男性に比べ女性がはるかに多いと言えます。
その原因の1つに高齢者では性ホルモンの低下があり、そのため閉経後の女性に多い理由であると言えます。
更に骨祖しょう症には2つのタイプがあり、1つは加齢によるもの。もう1つは特定の病気や治療薬が原因で起こるものがあります。
そして、複数の論文から糖尿病の患者さんも、糖尿病でない方と比べて骨折しやすいことが分かり、糖尿病は骨粗しょう症の原因になることが証明されました。
ただし、糖尿病の患者さんは骨密度が保たれているにもかかわらず、骨折しやすく、骨密度だけでは判定困難であり、骨の強度を規定する『骨質』というものが問題だということが分かっており、糖尿病患者さんの骨粗しょう症は骨の質が低下した『骨質低下型』の骨粗しょう症であると考えられています。

予防と治療

糖尿病患者さんの骨粗しょう症の診断基準は現在ははっきりしていません。
同じく、糖尿病患者さんの骨粗しょう症に効果のある治療薬もまだ明らかになっていませんが、一般的に骨粗しょう症で推奨されている予防法や治療法は、糖尿病患者さんにおいても有用であると考えます。
ビタミンD牛乳と乳製品チーズを除く)に属する食品はカルシウムを多く含み骨量の維持に大切な栄養素です。
身体を動かさなくなると骨密度が低下します。
日光を浴びるとビタミンDが合成されます。このことから、散歩など適切な運動は骨密度の維持に重要です。

HbA1c 7.5%以上の方は、7.5%未満の方に比べて大腿骨頸部の骨が細く骨折危険度が高くなっています
血統コントロールの改善により骨形成が回復することから、血糖値を良好に保つことは骨粗しょう症を予防するうえで大切なことだと言えそうです。

骨折しやすい4つの部位
骨折しやすい部位